事業計画書はなぜ必要か
自分の思いと覚悟を再確認する
創業・起業を考えるとき、「事業計画書」をつくることが大切だと言われます。なぜでしょうか。それは、事業を始めたいという思いを計画書という文章や図表にまとめることで、自分の中でなんとなく思い描いていた「ふわっと」した創業・起業への思いを明確に、計画的に、実現可能なレベルにまで落とし込むことができるからです。
起業したいと常々思っているけど、いつのまにか数週間、数ヶ月がいつのまにか経ってしまっていた、なんていう経験があるかもしれません。また、うまく自分の創業・起業への思いをまとめることができず、いつもぼんやり堂々巡りのまま前に進めずにいるという方もいらしゃるかもしれません。
こういう場合は、一度「事業計画書」あるいは「創業計画書」という文章の形で、自分の考えをまとめてみることが効果的かもしれません。
売上を上げ続けるための戦略をまとめる
また、事業を始めるには、売りたい商品やサービスを考えるだけではうまくいきません。どうやってお客さんを集め(集客)、商品を良さを伝えて適切な価格で売る(販売)ための戦略をまとめていくことが効果的です。いくら品質の良い商品や技術の高いサービスを販売していても、適切な戦略がなければ「売れ続ける」ことは難しいでしょう。
特に規模の小さな個人事業主や小さな会社で事業を始める場合、その規模にあった「弱者の戦略」をとるのがよいでしょう。これは「商品」「顧客」「地域」などを最初は最も得意とする狭い範囲に集中し、それにもっとも効果的な「販売」の方法で売っていく戦略です。この最も得意とする狭い範囲に特化するという考え方は、インターネットの時代には特に効果的です。ここにはあなたの起業への思いも大切になってきます。
取引先や金融機関に伝える
事業計画書は、自分の思いをまとめ、具体的に事業を始めるために有効活用できますが、もう一つ重要な役割があります。それは、他者にあなたが始めようとする事業の内容をうまく説明することです。特に、起業前には自分の思い、計画、戦略を事業計画書という文章の形でまとまておかないとなかなか他者(ヒト)には理解してもらえません。見込客や仕入先、提携先などの取引先への説明、金融機関に融資や投資をもとめるための資料にもなります。また、家族や仲間に理解してもらうためにも役立ちます。
事業(ビジネス)は他者との関係の中で成り立って継続するものですので、周囲の理解がなければ当然うまくいきません。事業を始める前にしっかりとその内容を他者に説明できるくらいに内容を詰めておきたいものです。
事業計画を作るためのポイント
1.まずは自分の思いをまとめる
自分の起業への思いをまとめるというのは軽視されがちですが、実はとても重要です。そもそもなぜ起業したいのか、なぜその商品を売りたいのか、その事業を行うにあたっては、実績や経験に裏付けられた自信や苦労して取得した資格などが関係するかもしれません。また、なにか大きなきっかけや成功体験があったのかもしれません。そうした思いをまずはまとめておくことをお勧めします。
実は、この「個人的な思い」が事業を始めた際の「差別化・個性化」の最も重要なポイントになります。今や良質なサービスや安いだけの低価格路線だけではモノは売れない時代になっています。「モノ(商品)からコト(体験)へ」の言葉もあるように、購入者は実は商品やサービスの購入をとおして「共感」「賛同」「信頼」といった感情的なものを得ていることも、最近では重要な視点になっています。
こうした視点で、自分の思いを他者(見込客や顧客)に伝えられるような「事業計画書」にすることがポイントです。
2.弱者が強者に勝つための8つの戦略
新しくできたばかりの個人事業主や小さな会社が事業を始めつづけていくために有効な「弱者の戦略」は、まずは自分の最も得意な「商品」「顧客」「地域」「販売方法」に絞って、経営資源(たとえばマンパワーや広告費など)を集中することです。
例えば、私は「行政書士」という業種です。しかし、これだけではできる仕事の範囲が広すぎる(加えて、あまり仕事の内容が知られていない)ので、「国際業務」にしぼり、さらに「外国人のビザ手続き」にしぼり、さらに「アジア圏の外国人のビザ手続き」に絞って仕事をはじめました。「ビザ手続き」という商品にしぼり、「アジア系外国人」という顧客をしぼり、さらに「地域」を大阪にしぼり、「販売方法」をインターネット集客にしぼりました。これによって開業当初から、お客さんからの依頼がすぐに入り、その後継続しています。
この戦略はお客さんにとっても、サービスがわかりやすいのです。例えば、頭痛に悩まされて良い「病院」を探しているとします。その場合、単に「病院」を探すのではなく「脳外科専門」「頭痛外来専門」の病院を選ぶと思います。それもできれば近くの「地域」にある病院を。
今はインターネットを通じてパソコンやスマホでなんでも選ぶことができる時代、そんな時代に選ばれる事業者になるためには、専門分野に集中特化する「弱者の戦略」は必須の考え方です。この考え方に沿って(雛形や典型的な質問がある!)経営戦略を立てることで、失敗しない戦略がたてられます。
3.説得的・客観的な数字や資料
事業計画を立てる場合には、より具体的に、より明確に、より現実的に作っていくことがポイントです。計画という以上、何の根拠もない絵空事では意味がありません。本当に戦略を実行に移すことができるだけの能力があるのか、その具体的な根拠や証拠はあるのかを考えることが必要です。
もし、今までに前職などで新しい事業に役立つ知識や経験があれば、それを改めて文書にしておくことは大切です。自分自身の自信にもなりますし、取引先や見込客への説得的な説明資料になります。特に注目したいのが「数字」です。例えば、業務経験が◯年ある、◯◯件以上の実績がある、◯◯人を治療しました、などの数字は非常に強力な説得的根拠になります。また、「権威」を用いるのも効果的です。例えば、国立◯◯大学卒、有名人の◯◯も使っている、難関資格◯◯取得などです。
単なる計画を少しでも現実的・客観的なものにするためには、自分の経験や知識、実績など人生や生き方も含めてすべて振り返り(「自分棚卸し」などともいう)、全人格的にビジネスを考えてみるのも役立ちます。
事業計画書の作成サポート
当事務所のサービスと特徴
当事務所では、起業したい!独立したい!という思いをもっている起業志望者のあなたに「事業計画書」作成のサポートをしています。
これは、単に「事業計画書」という文章を代筆するものではありません。まずは起業したいというあなたの「思い」をしっかりとインタビューしてまとめます。次に、事業を始めたあとに売上をあげ継続できるよう「戦略」を対話を通じてまとめていきます。その際には主に「弱者の戦略」を軸に得意分野の絞込みを行います。特に、当事務所が得意とする「コンテンツ発信」「インターネット販促」につなげていきます。さらに、説得的・客観的な根拠に必要となる数字や権威を見つけ出し、融資・補助金の獲得や新規取引先への説明資料としても利用できる「使える事業計画書」の作成をサポートします。
メニューと報酬金額
・事業計画書作成サポート(2〜3時間程度のインタビュー+事業計画書へのまとめ) 10〜30万円